第2章:5つの取り組みの関係
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3つのブロードリスニング
ブロードリスニング本の第一章「ブロードリスニングとは何か?」によれば、ブロードリスニングは以下の3つに分類されます:
1. ツールとしてのBL
- 「大量の意見をAIで集約・構造化・可視化する「部品」としての技術」
- 「声を集め」といった場合、ほぼこれに該当する
- 代表的なツール
- Talk to the City (TTTC)
- 広聴AI
2. 拡張熟議支援としてのBL
- 熟議民主主義(deliberative democracy)とは: 簡単に言えば「多数決で決める前に、まずちゃんと話し合おう」という考え方で、市民が対話と議論を通じて合意形成を目指す民主主義の形態です」(ブロードリスニング本)
- 弱点:「…深い対話には時間と人手がかかります。コストが有限である以上、一度に参加できる人数に限りがあるという制約から逃れられません。これが冒頭で述べた「深さと規模のトレードオフ」です」
- 拡張熟議(熟議の弱点の克服)とは: 「この限界を乗り越えようと、情報通信技術を活用して熟議を大規模化する試みが生まれました。これが「拡張熟議」です。従来は少人数でしか成立しなかった熟議を、規模・頻度・形式の3つの側面から拡張します。数千人・数万人規模での議論(規模の拡張)、年1回ではなく継続的な熟議(頻度の拡張)、対面だけでなくオンラインやテキストでの同期・非同期の議論(形式の拡張)を可能にします。そして、LLMの登場によって拡張熟議をさらに大規模化する技術として誕生したのがブロードリスニングツールです。」
- 要は、LLMによる「拡張熟議 in steroid」がDDに固有のBL。
- 代表的なツール
- いどばた
- Polis
- 倍速会議
- JOIN
3. 政治家・行政主導のブロードリスニング
- 「政治家や政党が主導して多様な市民の意見を集め、政策立案に活かすスタイル」
- 与野党において「選挙活動におけるイシューの発見や公約策定にブロードリスニングを用いることが事実上の標準戦略となりつつ」ある(6章参照)
- 「行政においても…計画策定サイクルの中にブロードリスニングを組み込む事例が増えています(8章参照)」
- 「市民同士が直接議論し合う拡張熟議とは形態が異なりますが、政治家や行政が能動的に市民の声を聴いて応答するこのスタイルは、熟議民主主義の精神に沿うもの」
- 「また、日本国内では、主要政党をはじめ多くの組織がブロードリスニングツールを採用し、意見集約・政策検討を行うようになった結果、「ブロードリスニングとはSNSから意見集約を行い、政策決定に生かすことである」というイメージが急速に広がりました。」
3つのブロードリスニングの接続としてのコアループ≒2030≒DD
ブロードリスニング本による3つブロードリスニングの説明により、コアロープが、3つのブロードリスニングの接続であることが分かります。
ここでもう一度、コアループの定義を見てみましょう:
「[コアループとは、]声を集めて終わり」のデジタル民主主義を乗り越え、AIを活用しながら、市民の意見を合意形成につなげ、政策・法令・予算として実行し、社会の改善実感まで届けることを目指す民間主導プロジェクトです」
こうしたコアループは、以下のように、「三つのブロードリスニングの接続」と見做すことが出来ます:
- 「声を集めて」 ≒ ツールとしてのブロードリスニング
- 「AIを活用しながら、市民の意見を合意形成につなげ」 ≒ 拡張熟議支援としてのブロードリスニング
- 「政策・法令・予算として実行し、社会の改善実感まで届ける」 ≒ 政治家・行政主導のブロードリスニング
現在進行中のProject Coreloopである「オンライン広告詐欺対策」は実際、この接続を顕著に示していることを、第3章で見ていきます。
広聴AI・いどばた・Polimoneyの位置づけ
ここまでの議論で、コアループが、広義の意味でのブロードリスニング(三つのブロードリスニングの接続)であることが明らかになりました。
つまり、2030を構成する「5つの取り組み」のうちの2つ(ブロードリスニング、コアループ)の関係が明らかになったわけです。
残すは、それら二つに、「広聴AI」、「いどばた」、「Polimoney」がどのように接続しているかです。
実は、「広聴AI」と「いどばた」に関しては、ブロードリスニング本による上記の説明が、以下のように明らかにしてくれています:
- 広聴AI = 「ツールとしてのブロードリスニング」のツールの一つ
- いどばた = 「拡張熟議支援としてのブロードリスニング」のツールの一つ
「広聴AI」と「いどばた」それぞれ、このようなかたちでブロードリスニングと接続しています。
そして、すでに見たように、コアループは、「三つのブロードリスニングの接続」という意味で、ブロードリスニングそのものです。
5つの取り組みの全体像
これらのことが明らかになったことにより、「① コミュニティ全体のこと」、「② 各プロダクト・プロジェクトの紹介」という、3つある「ガイドブックの目的」の最初の二つの大部分が達成されました。
残すは、「ガイドブックの目的② 各プロダクト・プロジェクトの紹介」のうちの「Polimoney」(「5つの取り組み」のうちの四番目)と、「ガイドブックの目的③ 「こんな貢献ができるよ!」という参加のハウツー」です。
これらのことを、現在進行中のProject Coreloop「オンライン広告詐欺対策」を通して見ていきましょう。